助けろ!! Help it!
「好きや。」
「好きです。」
最初に言われたのは市丸ギンから。
次に言われたのは檜佐木修兵から。
「付き合って?」
「付き合ってください。」
はっきり言って鬱陶しい事この上ない。
どうにかしてくれ!!
まだ休みの日とか暇な時に言ってくれればいい。
いや、それも嫌だが。
とにかく!!
俺は仕事をしたいんだ!!
それなのに…。
「冬、構って?」
「日番谷隊長、構ってくださいよ?」
「………」
なんなんだよ!?俺は仕事中だ!!
叫びたい。日番谷は思った。
でも、叫んでも意味のない場所。
だってここは瀞霊廷から結構離れた森の中。の、ずっと奥。
叫んだって誰も来やしない。
誰か助けて…
「構ってくれへんの?」
「構ってくれないんですか?」
「……仕事させてくれ…。」
の前に俺を元の場所、十番隊の執務室に戻してくれ。
「イヤや。」
「ダメです。」
なんでこの二人は言うことが同じなんだ。
いい加減、日番谷も我慢出来なくなってきた。
「嫌だっつてんだろうが!!何だって俺をココに連れてくる必要があるんだ!!」
「冬と、えっちしたいから。」
「日番谷隊長とSEXしたいからです。」
いきなりそれかよ。
だから何で二人は同じ事を言ってくるんだ?
「イヤだ。俺は好きなヤツとしかヤらねぇ」
「それは誰なん?」
「いったい日番谷隊長の好きなヤツは誰なんです?」
絶対に言うもんか。
言った所で何か変わるわけない。
「誰でもいいだろ!!早く俺を解放してくれ!!」
「それは出来ん。」
「絶対に離しません。」
だいたい俺が何したっていうんだよ!!
早く仕事…。
松本はサボり確実だから、誰もやってくれる人はいない。
なんかもう泣きたくなってきた。
「冬、痛いことはせぇへんから。」
「日番谷隊長、痛いどころか気持ち良くしてあげますから。」
だんだんと日番谷に近付いてくる腕が市丸の両腕、檜佐木の両腕合わせて4本。
「ヤだ…。…ヤ、だ…っ助けて…いちご……!!」
ふっと視界が暗くなった。
上を見上げれば鮮やかなオレンジ色。
「やっと見つけた、冬獅郎。」
「一護…!!」
俺は構わずその大きな背中に抱きついた。
いや、背中じゃなくて腰か。
「一護、一護!!」
「冬獅郎、大丈夫だから。ちゃんと来てやったろ?」
市丸と檜佐木の事なんかもう眼中にない。
「黒崎一護、なに邪魔するん?」
「そうだ一護、なぜ邪魔をするんだ。」
「何故って言われても、俺と冬獅郎は恋人同士だし?」
「「…………」」
ざまぁみろ。
市丸と檜佐木の顔が面白ぇ。
「なんやて!!」
「なんだと!!」
二人同時に大声出さないでくれ。
鼓膜が破れる。
「嘘じゃねぇよ。証拠に…ほら、鎖骨の赤い華。俺の印がついてるだろ?」
「ん…っ///」
一護は俺の死覇装をはだけさせ、市丸と檜佐木に見せ付けた。
俺はこの上なく恥ずかしい。
「そんなん虫刺されに決まっとるやろ。」
「蚊に刺されれば誰にでもなる。」
「だからこれは俺が付けたキスマークだ!!虫でも何でもねぇ!!」
俺の死覇装は一護に脱がされ、もう肘から先と腰から下しか着ていない状態。
しかも両腕は何故か市丸と檜佐木に捕まえられていた。
「はぁ〜。もうどうでも良くなってきた…」
もう諦めるしか道が無いのか…。
ため息は数えきれない程出てくる。
「市丸!!檜佐木!!冬獅郎から手を話せ!!」
「イヤや。」
「ヤだね。」
一護の顔を見ればキレている感じ。
「なら力付くでも離させる!!」
「やるならやってみぃ。」
「やれるならやってみな。」
あ〜もう…俺はほったらかしにされるのか。
ここまで勝手に連れてきといて。
でもその方が3人が夢中になってる間に逃げられるかも。
「冬獅郎!!」
「はぇ?」
「冬獅郎は誰が好き?」
いきなりの一護の質問。
てっきり3人で力勝負するかと思ったのに。
「冬誰が好きなん?」
「誰が好きなんです?」
「正直に言っていいのか?」
「「「当たり前!!!」」」
そんなの決まってる。
誰に言われようと変わらないんだ。
「俺が好きなのは……」
「「「好きなのは?」」」
「好きなのは…松本だ。」
「「「は?」」」
三人の顔が面白いくらいに点になっていた。
でも本当の事を言ったんだぜ?
人前じゃ恥ずかしいからな。
「松本って言ったら松本だ!!何回も言わせるな!!」
「わかった、わかったから冬霊圧抑えてくれへん?」
「すっごい寒いですけど…。」
いつの間にか出ていた霊圧。
けど抑える気はなくて。
「寒いんだったら俺の目の前から消えろ。」
市丸と檜佐木に言ってやった。
一護も寒いだろうにその場に立ちつくしていた。
俺はそっと一護に近付いて屈んで貰った。
一護の耳元で、
「愛してる」
と言った。
そのあとの一護の顔は真っ赤になっていた。
たぶん、俺の顔も真っ赤だっただろう。
そのあと執務室に戻ってからの仕事はどうなったか聞かないでくれ。
END
07.07.22