朝のひととき A time of the morning
「今日は絶対に成功させてみせる!!」
黒崎一護、闘志を燃やす!!
朝からハイテンションの黒崎一護は何かに燃え(萌え)ていた。
「一護?」
恋人の前で堂々と。
「一護ってば!!」
「冬獅郎!!今から俺と温泉行こう!!」
「はぇ?温泉?」
話を聞いてないと思えば、いきなり温泉に行こう。
雰囲気もなにもあったもんじゃない。
「温泉って…まだ朝…」
「朝でもいいだろ?」
「あ…うん。一護となら…///」
「よし、決まりvv」
でも好きな人の前なんだから、素直になったっていいんじゃないか?
けれど今ここに居るのは一護と日番谷だけではない。
「あっ隊長〜♪一護と温泉行くんですか〜?」
松本乱菊もいるのだ。
朝早くから一護の家に来て、(日番谷だけならまだしも)堂々と居座っていた。
「乱菊さんは来ちゃダメッスよ!!俺は冬獅郎と『二人きり』で入りたいんですから!!」
「一護…///」
「ちぇ〜。つまんな〜い。私の胸、思いっ切り凝視していいから〜」
「そんなこと言われてもダメです!!俺は冬獅郎のあ〜んなとこや、こ〜んなとこの方が見たいんです!!一人で見たいんです!!」
「や、一護ぉ〜///」
松本も行くとか言い出してきた。
でも温泉なんてやっぱり恋人同士で行くに限る。
「あ〜ら、そう。いいわよ。私は織姫に連れていってもらうから…」
「そうして下さい。」
これで日番谷と二人きりになれると思った一護だが。
「でも一護…」
「どうした冬獅郎?」
「まだ温泉開いてないんじゃない?」
今現在の時刻午前6時30分。
温泉の開店(?)時間は7時30分。
「あ〜そうだな…。じゃあまず朝飯でも食うか。」
「あ、俺が作ってやるよ!!」
「冬獅郎、料理出来るのか?」
「当たり前だろ?自室に戻ったら一人なんだし、自分で作らなきゃ誰が作るっていうんだよ。」
尸魂界の護廷十三番隊の隊長、副隊長にはそれぞれ個室が与えられる。
もちろん、日番谷も例外なく。
「冬獅郎が作る料理かぁ〜、すげぇ食べたい!!」
「じゃ、決まりだな。一護は何食べたい?」
「ん〜、そうだなあ…。冬獅郎が作るのなら何でも…」
と、一護が悩んでいると隣から何やら元気な声が。
「はいは〜い!!隊長、私はフレンチトーストが食べたいです!!」
「ら、乱菊さん…井上のトコに行くんじゃなかったんですか?…でもいいな。フレンチトースト。」
「一護。」
「どうした、冬獅郎?」
頭に?マークを付けて一護を見ていた日番谷に、一護も日番谷の顔を見て?マークを浮かべた。
「作るのはいいけど、フレンチトーストって何?」
「知らねぇのか?」
「う、うん…ごめんなさい…。」
「なんで謝るんだよ。知らねぇもんは知らねぇんだから別にいいだろ?」
「だって作るって言ったのに、知らない物は作れないから…」
落ち込んでいる日番谷に一護は抱きついた。
「一護?」
「冬獅郎、めっちゃ可愛い…!!」
「…///」
顔を赤らめて、日番谷は一護を見た。
「冬獅郎、じゃあ俺とフレンチトースト作ろっか!?」
「一護と?」
「そvvどうだ?」
「…作る///」
「よし、決まりvv」
一護は日番谷の手を取って台所へと向かった。
「ちぇ〜、やっぱり私は置いてけぼりなのね…」
松本の呟きは誰の耳にも届かず、空気と交じった。
一階に行くと、一心達は昨日からの一泊二日少旅行の為いなかったので、そのまま台所へ向かった。
台所へと足を踏み入れ、最初にしたことは材料確認。
「卵と牛乳と砂糖…。あ〜肝心な食パンがねぇ。」
「一護…?」
冷蔵庫とにらめっこしている一護に日番谷はまたもや頭に?マークを浮かべた。
「ん〜。冬獅郎、材料が揃ってないけど、どうする?」
「どうするって?」
「買いに行くか、材料あるやつで違うもの作るか。」
「買いに行こ?フレンチトーストっていうの食べてみたいし…。」
なにより、一護と何処かへ行くのが嬉しい。
「じゃ、そうするか。乱菊さんに言わないとな。」
「俺が言ってくる。」
「なら俺は準備してくるな。」
「おぅ。」
日番谷は一護の部屋に行き、一護はもう一度冷蔵庫の中身を確認してから財布を取りに行った。
「松本。」
「あら隊長、どうしたんです?やっぱり一護より私に乗り換えます?」
「誰がそんなことするかよ。」
「え〜じゃぁ何ですか〜」
面倒臭そうに言う松本に対して日番谷は溜め息を吐いた。
「材料が無いから買い出しに行ってくる。」
「隊長一人でですか?」
「いや、一護と一緒に。それを伝えたかっただけだ。」
「じゃあ…」
「付いてくるなよ?」
松本が言いたかった言葉を遮って日番谷は言った。
「……わかってますってvv一護とイチャついて来て下さい♪」
「馬鹿…///」
松本は返事をしたものの覗き見する気らしい。
そうとは知らず日番谷は一護の元へと向かった。
「さぁ〜て、私も準備しなきゃ♪」
そう言って、松本はカメラを片手に窓から外へ出た。
「一護…」
「おぅ、冬獅郎。乱菊さんにはちゃんと言ってきたか?」
「うん。」
「よし。あっ冬獅郎、外まだ肌寒いからこれ着ろよ?」
一護は日番谷に上着を掛けてやった。
「ありがと…///」
「よし、じゃぁ行くか!!」
顔が赤くなった日番谷の手を取って玄関へと向かった。
外はまだ少し風が冷たく吹いていた。
「冬獅郎寒くないか?」
「大丈夫。一護が用意してくれた上着があるから。それに…///」
「それに?」
顔を真っ赤に染め、上目使いで一護を見上げた。
そして日番谷の右手、つまり一護と繋いでいる手を見た。
「一護の手、暖かいし。何より一護が直ぐ隣にいるから…///」
こんな可愛い事を言ってくれる恋人に、一護は思わず日番谷に抱きついた。
「冬獅郎〜!!」
「わぁっ!!」
いきなり抱きついてきた一護に驚いた。
一護は、これからココでヤっちゃいたい気分。
「っ…痛…」
下から聞こえた声に、一護は抱きついたのではなく日番谷を押し倒したんだと気付く。
「ご、ごめん冬獅郎!!!」
「……ぅ、うん。」
そうだった。
日番谷と一護の体格差は結構ある。
可愛い事を言ってくれた事に驚いて、つい思わず無意識に抱きついてしまった。
いや、押し倒してしまった。
力加減を考えていなかった。
けど、このまま襲いたい!!
折角押し倒したんだ!!
でもまだ肌寒い季節。
こんなとこで路上プレイなんかしたら絶対に日番谷は風邪を引くだろう。
なので、とりあえずは我慢。
「大丈夫か?」
今度は優しく、背中と頭を支え日番谷を起こした。
「本当ごめん!!冬獅郎!!」
「さみぃ…。」
押し倒されて、一護が色々と悩んでいる間ずっと日番谷はコンクリートの上で仰向けになっていた。
ぶるぶると震えている日番谷を見て一護は、「なんてヤらしい事考えてんだよ俺は。」とむんむんと唸っていた。
「一護…」
一護が悩んで(?)いる間、日番谷は不思議そうに一護を見つめていた。
「冬獅郎…!!(冬獅郎を見て変な気を起こしたくなるのは仕方ないんだ!!)」
またもや、色々と悩んで自己完結してしまった一護。
(けどな、俺は冬獅郎の体目的じゃないんだぜ?冬獅郎への愛は不滅さvv by一護)
心の中でもしっかり愛を主張する一護がいた。
暫く歩いていると、コンビニが見えてきた。
まだ朝早くといって客は少ない。
「あ〜やっぱ中は暖けぇ〜。」
「一護一護!!」
「ん?どうした、冬獅郎?」
繋いでいた手をちょんちょんと引っ張られて、一護は日番谷の方を向いた。
「あれ、涼しくて冷たいやつ!!」
一護から与えられた上着は少し大きめサイズだったので、日番谷は指先をちょこっと出して指差した。
それを見た一護は、日番谷が指した方ではなく、一時の間日番谷のちょこっと出た人差し指をジッと見ていた。
(ぶかぶかの上着持って来て正解だったぜ〜!!)
悟られないよう一護は小さくガッツポーズした。
「一護!!」
「あ、あぁ…」
もう一度名前を呼ばれて、ハッと我に帰り今度は日番谷の指差した方を見た。
するとそこはアイスクリームが売られている場所だった。
じっとアイスクリームの場所を眺めている日番谷。
「食べたいのか?」
「あれ、食べ物なのか?」
まあ、現世の事知らない死神なんだからそうだよな。
「あぁ、冷たくて甘い食べ物だな。いるなら買ってやるけど?」
「食べる…。」
コンビニに入るまで寒いといっていたのに(俺がコンクリートの上に押し倒したってのもあるんだろうけど。)やっぱそういう所はお子様だよな。
しかも、まだ入口につっ立ったままなのに、よく此所から涼しくて冷たいなんてわかるのか。
(冬獅郎が氷雪系だからか?)
入口からアイスクリームの場所の方へ移動すると、日番谷は目を輝かせて中を覗きこんでいた。
「冬獅郎、どれが食べたいんだ?」
「え〜と……。あれ…。」
またも指差した方向をみれば、アイスの実。
「これか?」
「おぅ!!」
とても嬉しそうな顔をした日番谷を見た一護は、下半身が少し主張し始めていた。
「さてと、後は帰って作るだけだな。」
食パンも買い終り、また二人で手を繋いで黒崎医院へと戻って行った。
「冬獅郎、さっき買ったアイス食べるか?アイスの実だから溶けたら美味しくねぇし。」
「食べる…。」
日番谷がそう答えたので、繋いだ手を外し袋からアイスを取り出した。
「ほら。」
「ありがと。これ、中身も食えるのか?」
「中身?」
「種とかないの?」
「アイスにはそんなのねえよ。」
「ふ〜ん…。」
箱を開け、中の袋も破ると日番谷は恐る恐る最初の一つを口にした。
「……つめたい…。」
「アイスだからな。俺にも一口頂戴?」
「ん。」
オレンジ味の実を人差し指と親指で挟むと一護へと向けた。
「サンキュ♪」
ぱくっと一護は手を使わず口をオレンジ味の実へ持っていき食べた。
「…!?!?」
「美味しい冬獅郎の指vv」
「…こんな路上で!!///」
「誰も見てないって。」
「う〜…///」
顔を真っ赤にした日番谷の手を取り、日番谷の指にちゅっと音をたててキスをした。
「家に帰るか。」
「…ん///」
足を黒崎医院へと向けて歩き出した。
「隊長ったらラブラブねvv」
電信柱の影からカメラを片手に、にこやかな笑顔を向けた松本。
「あ!!はやく帰らないと隊長達帰って来ちゃう!!」
瞬歩で帰っていった。
***
「ただいま〜」
「た、ただいま…///」
「なに照れてるんだよ?」
「なんとなく…恥ずかしかった…///」
「可愛い〜冬獅郎!!!」
玄関でいちゃつく一護と日番谷。
すると、あたかも前から居たように松本が声を掛けてきた。
「おかえりなさい隊長vv一護とラブラブできました?」
留守番していた筈なのに何故こんなにご機嫌なんだろう。
と一護は思ったとか思わなかったとか。
「そんなの知らない…///」
誤魔化そうとしたいけれど、色々と一護にされたことが頭に浮かびなかなか誤魔化せない。
つい、顔が赤くなってしまう。
「隊長♪顔が赤くなってるって事は出来たんですねvv」
「乱菊さん!!俺と冬獅郎はフレンチトースト作って来るんで俺の部屋で待ってて下さい!!」
これ以上言われると逆に日番谷の方が機嫌が悪くなるかもしれないと思い、一護は松本を早く部屋に戻るように言った。
「わかってるわよvvゆ〜っくり作って下さいね♪隊長もまた一護とラブラブして下さいvv」
「松本〜!!」
日番谷が叫ぶと同時に松本は階段を駆け上がっていった。
松本が部屋に入っていったのを確認して一護は日番谷に声掛けた。
「冬獅郎、作るか!!」
「ん。」
靴を脱ぎ、台所へと一直進。
「え〜っとまずは卵を2つ割って…」
「この中に割れば良いのか?」
「あぁ。手、気を付けてな。」
卵を破る作業を見ていた一護は、日番谷の手際の良さに驚いた。
「冬獅郎、主婦みてぇ…。」
「俺は男だ。」
「まぁまぁその辺はおいといて。次に、その卵の中に牛乳と砂糖を入れて混ぜる。」
冷蔵庫から牛乳を取りだし日番谷に渡した。
「量は?」
「適当?」
「そんなんじゃわからねぇよ。」
「俺が入れてやるよ。」
まず砂糖を適量いれ、その次に牛乳を注いだ。
「これを混ぜて、ちゃんと混ぜ終わったら食パンをその中に浸すんだ。」
「わかった。」
シャカシャカと混ぜている日番谷。
それを一護は微笑ましい笑顔で見ていた。
「一護。浸けたぞ。」
程良くして日番谷が一護に振り返った。
「ん?あぁ、それ浸けとく間、時間あるから冬獅郎、一回イッとく?」
「イくって……っ!!」
一護は直に日番谷自身を扱き出した。
「うっわ〜冬獅郎堅くなってる…」
「止め…。」
「嫌」
「止めて…。」
「やだ。」
行為を嫌がっている日番谷に対して一護は止める気配なし。
「…………止めろって…言ってるだろうが!!!!!」
ついにキレた日番谷は、バーンっと音をたてて一護を突き飛ばした。
「うぉ!?冬獅郎、これ効きすぎ…。」
あんなちっこい体の何処からそんな力があるのか。
買い物行ったときは一護が押し倒したっていうのに。
はぁはぁと肩で息継ぎしながら一護を睨んだ。
「一護が変なことするからだ!!」
「はい、すみません…。」
「これに懲りたらもうそんな事するなよ?」
「はい…わかりました。」
一護は日番谷の前で正座して、まるで叱られている犬のようだった。
「…するなら、するで…事前に言え…そして夜だ…///」
日番谷はしゅんとなっている一護にキツク言い過ぎたかもと思い、一護から視線をそらして恥ずかしそうに言った。
そんな言葉を言われて今までの落ち込みが嘘のように一護は日番谷に抱きついた。
「冬獅郎〜♪やっぱり俺の冬獅郎だ〜♪」
「だ〜!!よせっ、さっさとフレンチトースト作るぞ!!」
しっかり抱き締められて日番谷は身動きがとれなかった。
うきうき気分で料理を再開した一護。
「さぁ〜て、冬獅郎!!後はフライパンで両面焼くだけだ。任せていいか?」
「あぁ。けど……………早く退いてくれないか?」
まだ抱きついている一護に呆れた声で言った。
「だって冬獅郎の抱き心地がいいんだもん〜vv」
すりすりと頬を擦り合わせている一護に日番谷の額には青筋が1つ出ていた。
「一護……。」
「…!!……ごめんなさい;」
「わかればいい。」
結局は日番谷に頭が上がらない一護だった。
そのあと、一護から開放された日番谷は上手に卵に浸した食パンを焼いていった。
一護も日番谷がやいている間に牛乳やら皿等を用意していた。
「ん〜〜やっと出来た。」
う〜っと二人は両手を上に掲げて伸びをした。
「冬獅郎初めてなのに上手いなvv」
「ありがと…。」
「さて、乱菊さんも待ってるだろうし呼んでくるか。ちょっと待ってろよ」
「おぅ」
タンタンタンと階段を登り一護は二階にいる松本を呼びにいった。
日番谷は待っている間、ぼーっと一護が来るであろうドアを見つめていた。
二階からは何か松本と一護が言っているのが聞こえた。
暫くして松本と一緒に降りてきた一護の顔は赤くなっていた。
「隊長〜vv美味しそうに出来てますね♪では早速いただきま〜すvv」
パクッとフレンチトーストを口にした瞬間甘い味が松本の口の中でとろけた。
「美味し〜い♪隊長美味しいです♪」
「ありがと。」
「俺と冬獅郎の愛が詰まってるんだから当たり前だよな〜」
ほうけたような真面目な様などちらとも言えない顔で一護は言った。
「隊長ったらちゃんとラブラブしてますね〜♪」
「……良いから早く食え!!」
「照れちゃってvv隊長ったら可愛い〜」
超が付くほどのご機嫌な松本はサクサクと朝食を済ませていった。
「ごちそうさまでしたvv」
「乱菊さん!!約束です!!早く井上の所に行ってください!!」
食べ終わるや否や、すぐさま一護は松本にいいよった。
「わかってるわよ〜vv約束だもの♪じゃあ隊長、私織姫の所に行ってきま〜す。」
「ん?あぁ行ってらっしゃい。」
日番谷は松本が玄関から出るのを見届けた。
「冬獅郎〜vv食べ終わったから約束の温泉行こうぜvv」
「洗い物は?」
「そんなの帰ってからでいいって。さ、準備も整ったし行くぞ!!」
いつの間にか日番谷の分までしっかりと用意されていた。
そして、なかば強引に引きずられて温泉へ行くこととなった。
「冬獅郎、滑らないようにな。」
「餓鬼じゃあるめぇし、んな事するかよ!!」
温泉はまだ朝早くとあって今は一護と日番谷の貸し切り状態だ。
それを良いことに、一護は日番谷に迫って行く。
「冬獅郎、ヤらせて?」
「はぁ?」
「事前に言ったらいいんだろ?って事でお構い無く〜♪」
「ちょ、待て!!俺が構う……ひゃ///」
「やっぱり良い感度〜vv」
誰も居ない、二人とも全裸。
ここで襲わなければ男の恥だ!!
と言わんばかりの勢いで日番谷は一護にあっけなくヤらされてしまった。
その日の一護と日番谷の一部始終が松本のカメラに抑えられていた。
それを後日裏で売っていた事は日番谷は知らない。
一護はこっそりと松本から写真を買っていたとか。
END
07.04.06