秘密の場所 A secret place
久しぶりに二人の非番が重なった日。
さて、何処に行こうか。
「冬、朝やで。」
夜明けすぐに市丸は日番谷の自室の前に来た。
「来るの早すぎ。まだ寝たい。」
「せっかく重なった非番なんやから、一緒に過ごそうや。」
「わかったから寝かせろ。」
「寝たら意味無いやん…;」
また寝出した日番谷の隣に寝っ転がり、市丸も睡魔に襲われていった。
***
2時間程経って目を覚ました日番谷は隣に寝ていた市丸を見つけた。
「……起こすか?」
誰に対してでもなく呟いた後、市丸の背中を叩いて起こした。
「市丸起きろ。今日一緒に過ごすって言ったろ?」
「ん〜冬?起きたん?」
「バッチシ目覚めた。お前のお陰でな。勝手に隣で寝られたら誰でも起きるっての…」
2時間後に起きた日番谷が言えたもんじゃないが。
とりあえず、布団を畳んで死覇装ではない着物に着替えた。
「なぁ〜冬〜。今日な、のんびり二人で甘味処巡る旅に行かん?」
「旅って…。」
「歩いて行った先に甘味処があったらすぐ入るって事。美味しい穴場な甘味処を探さん?」
「別にいいけど。」
「なら決まりやね。早速行こか?」
市丸は日番谷の返答無しに、日番谷を抱きかかえて、(所詮お姫様だっこ)自室を出ていった。
嫌がるかと思った日番谷だったが、予想を裏切ったように逆に市丸の着物にしがみついていた。
瀞霊廷を出て流魂街へ出ると、市丸は日番谷を下ろし、手を繋いで歩き始めた。
「あっ、あそこに一軒ある。」
「よし、入るで。」
最初に入った店では、杏蜜を頼んだ。
「この杏蜜甘すぎ。」
「そうやなぁ〜もうちょっと酸味があってもえぇかもな。次の店行こか。」
次々と店を見付けては入っていくを繰り返し、最後にしようと入った店。
「俺、あれ食べてみたい。」
「『カフェ☆アフォガード』?なんや?」
「わかんないけど、興味湧いた。」
「なら、それにしよか。」
暫くして、頼んだものが来て二人一緒に口に運ぶ。
「んまい。」
「甘すぎず、苦すぎずってとこやな。」
ここの店では現世からの反映が一番良いが、なにせ店が見付けにくい路地裏の方へあった。
「いい穴場見付けたな。」
「本当、えぇところや。」
店を出て瀞霊廷へと帰る。
その間はちゃんと手を繋いで。
「また今度来よな?」
「必ずな。」
「二人だけの秘密の場所や。」
「おう。」
後日、二人で訪れたのは言うまでもない。
END
07.03.08